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蟹工船 + 郷ひろみ + 青空文庫 

特許事務所経営の弁理士パットです、こんにちは。秋葉原で悲惨な無差別通り魔事件が起こりました。犯人は、日雇い派遣大手の某社から派遣され、某世界的な自動車会社の系列会社で期間工(昔でいうところの季節工の派遣版です)をしていました。事件に巻き込まれた方、とりわけ若くして亡くなられた方やそのご家族にはかける言葉が見つかりません。

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さて、パットはこのような事件そのもの自体には語る言葉を持ちません。再発防止や事件を最小限にとどめる仕組みを何とか作ってもらいたいと思うだけです。ただ、このような労働者階級の境遇の方の実像には興味があります。パットが地方出身者であり労働者階級の出身だからです。今もある意味労働者ですが、自営なので搾取はされていませんが、搾取する立場にもありません…

さてさて、このような方をワーキングプアと称するむきがありますが、パットはこの言い方は嫌いです。だって、「働く貧乏(人)」ですよ。普通に「貧困層」って言葉が有るんだからストレートにそう言えばいんです。貧困層だって、殆どみんな「働いて」いるんですから、わざわざ「働く」を付ける必要はないでしょう。

そんな季節労働者の実像に迫った小説にプロレタリア文学の代表的な作家である小林多喜二の「蟹工船」があります。ちなみに、プロレタリアとは、賃金労働者階級、無産者階級とかを意味します。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
(1954/06)
小林 多喜二

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これが、今、たいへんなブームになっていることをご存じの方も多いかと思います。ただ、そのブームのきっかけは、多少脚色されています。

某批評家がこれを対談で取り上げたからだとか、某作家がblogで紹介したからだとか、ワーキングプアとか派遣とか日雇いバイトとかの若い世代による時代の要請だとか…

そんなものはほとんど2次的、3次的、或いは変な分析による後付けの理由であり、きっかけ「トリガー」は、フジテレビのバラエティ番組の「メチャイケ」で
「郷ひろみが、クイズで、解答を芥川龍之介かなんかの代表作を回答すべきところを【蟹工船】と間違えて回答したことです。」

そこで、ナイナイ岡村により面白可笑しくいじられテロップで小林多喜二が偉大な文豪であることが紹介されたことがトリガーです。そして若い世代が飛びつき、売れ出したということが真相だと思います。古い例で恐縮ですが、kyon2(きょんきょん=小泉今日子)がサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」が面白いといっただけで、突然本が売れだしたのと同じことなんです。

そして、蟹工船が爆発的に売れているのは、その本が時代を超えて面白いからです。読んだことがない方は、本屋さんで平積みされているので購入してください。

えっ?  「大手出版社は体制側なのだから、そんなやつらを儲けさせることはできない。だから、本を買えない」 ですって!?

そんなあなたは、青空文庫で小林多喜二の作品を閲覧することができます。このサイトには著作権が切れた作品が多数掲載されています。昔の作家さんが好きな方はぜひ読んでみてください。

青空文庫 蟹工船

横書きで読みにくいという、昭和世代の方には、縦読みで読ませるサイトがあります。


Aozora Viewer

↑のサイトは秀逸で、ほとんど書籍と同じ感覚で読めます。右側の"Launch"ボタンをクリックして、あとは指示に従っていけばJavaのアプリが立ち上がりますので、左側の作者ボックスで「小林多喜二:蟹工船」を選択すれば、縦書きで読めます。

ちょっと上記のどちらかで蟹工船の文体を見てから戻ってきてください。蟹工船の文体は、船戸与一や北方謙三あたりの文体と似ていませんか? 

そうです、多喜二の作品は、ハードボイルドというジャンルでくくることができるのです。たばこを短く吸い、投げ捨てる描写なんかハードボイルド以外の何者でもありません。特に、共産主義、左翼思想、革命思想の香りの点では、船戸与一に通じるものがあります。

ちなみに、多喜二の作品は著作権が切れている(現行法では50年ですから…)のですが、船戸与一は現役作家さんなので、本屋さんで買って読みましょうね♪パットも船戸与一さんは好きな作家の1人です。
[ 2008/06/10 17:48 ] 書評 | TB(0) | CM(0)

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